求人の探し方や情報収集の仕方なんていう情報はありふれています。
そういった検索をしてみると、たいていは運営会社が情報提供していると思います。
運営会社が提供している記事なのでデータなども参考にはなります。
ただし、運営会社は本音を書けないんですよね。
具体的に「ここをこうした方がいい」なんていう情報が抜けているのです。そんなことを書いてしまえば、掲載企業に不利益が出てしまう可能性がありますからね。ビジネスですから当然書きません。
でも、私は元求人広告業界の人間。
経験者でもあるからこそ、一歩引いた目線で見れるし、書くこともできます。
ということで今回は、誰でも知っているようで知らない情報をテーマに、転職サイトで良い求人の探し方について記事を書いていきます。
良い求人を探すテクニック
転職サイトの仕組みを知ろう
良い求人の探し方を知るためには、まず転職サイトの仕組みを理解することが必要です。
転職サイトを運営している会社は慈善事業を行っているわけではありません。当たり前ですが、営利を目的としています。
最近では、掲載料金は無料で採用決定時に課金なんていうシステムもありますが、掲載時に料金が発生するのが一般的。
そして、表示順位や原稿の文字数、オプションサービスなどが料金によって変わってくる。このことが基本知識となります。
メジャーな転職サイトで言えば、リクナビNEXTやマイナビ転職、
DODAがこれに当てはまりますね。en転職は仕組みが異なりますので今回は除外することにします。
こういった転職サイトを利用する場合、上記の基本知識を踏まえた上で、原稿の違いを抑えるようにしてください。
それが良い求人を探し出す第一歩ですよ。
とくに狙い目はリクナビNEXT
基本知識が当てはまる転職サイトをいくつか記載しましたが、その中でもとくに狙い目なのはリクナビNEXTです。
狙い目として上げられる理由は次の3点になります。
- 求人数が多いので埋もれやすい
- 企業にとってブランドイメージが定着している
- 仕組みがわかりやすい
それではそれぞれのポイントについて書いていきますよ。
①求人数が多いので埋もれやすい
実際にサイトで求人情報数を検索してみると、ものすごい件数の求人情報があることがわかります。
例えば営業職であれば、1300件以上(*記事掲載時点)。
それだけの企業が費用をかけて掲載しているということになります。
求人情報の一覧画面に表示される件数は1ページあたり最大50件。
営業職だけでみれば合計28ページもあることになります。
転職先を探している人は全部一つ一つ見ないにしても、真剣に探しているわけですから、しっかりと見ようとします。私もやったことがありますのでわかりますが、相当疲れます。
結果、見られない求人もあるのです。
この「見られない求人もある」ことがポイント!
見られない求人がある=埋もれてしまっている求人がある、ということです。
またこれは埋もれてしまっている求人は応募者が少ない傾向でもあるといえますよ。
②企業にとってブランドイメージが定着している
"採用"といえば何が思い浮かびますか?
ほとんどの人が、なんとなくリクルートという言葉を思い浮かべると思います。
昔からのブランドイメージというのはそれぐらい深く根付いているもの。
人事担当者も同じ人間なので、それは同じこと。
だから、久しぶりに採用を行う企業は、とりあえずリクルートを選ぶ傾向にあります。
この「久しぶり」というのがポイントです!
久しぶりに採用をかけるということですから、言い換えれば離職がほとんどなかったと言えます。
つまり、離職がないというのは働きやすかったり、待遇が良かったりすることが多い企業である可能性が高いわけです。
③仕組みがわかりやすい
リクナビNEXTは転職サイトの王道ともいえるサイトなので、正直、仕組みもわかりやすいです。
求人情報の原稿サイズは全部で5種類あり、N5、N4、N3、N2、N1といったサイズ名が付いています。
このサイズの区別は一覧画面を見ればわかるのですが、多くの人は一覧画面で求人情報を見るときに「写真があるかないか」「文字数が少し違うか」程度のことしか思わないのが普通です。
そのため、「一覧画面を見るだけでどんな原稿サイズなのかを理解できること」がポイントです!
それでは覚えていきましょう。サイズ別に並べるとこんな感じになります。
少し画像が小さくて見にくいかもしれませんので説明を追加しますね。
- N5サイズ・・・写真【特大】が1枚ある
- N4サイズ・・・写真【縦長】が1枚、写真【小】が3枚ある
- N3サイズ・・・写真【中】が1枚ある
- N2サイズ・・・写真はなく、キャッチコピーはある
- N1サイズ・・・キャッチコピーもない
これがわかるだけでも仕事の探し方が全然違いますよ。
仕組みを逆手にとろう
採用というのは人材獲得競争のようなもの。
いい人材はどの企業だって欲しいのです。
なので、求人数が多いということは企業にとって競合が多い証拠でもあります。
企業向けの案内サイトでは応募相場は平均38件と言っていますが、実際のところ2週間で30人も応募があれば良い方。少ないところはそれ以下です。
もちろん、費用をかけ表示順位が上位になれば目立ちますから、応募数は多いです。100人を超えることもありますからね。
では、表示順位が上位の企業はどんなことを考えることが多いのか?
- 人が集まりにくいので上位に表示させ、多くの人の目に入れてもらいたい
- 人がたくさん必要なので多くの応募者を集めたい
こうした意図があり、その裏側には「不人気の業界」「離職率の高さ」などが挙げられます。
一方、表示順位が低い企業はどんなことを考えていることが多いのか?
- コストをかけなくても見つけてくれれば、それで良い
- 自社のWebサイトでも採用ページを設けているので、その入り口となれば良い
つまり、良い求人というのは、見つけてもらえるのを待っている。
いわば、見つけられる人こそ必要な人材になりうるという考えを持つ企業もいるということです。
以前、こんな記事があったことをご存知でしょうか?
Appleの研究開発拠点、準備着々と進む - リクナビNEXTで求人
このときAppleの求人情報はN1サイズで掲載されています。予算やお金に余裕があっても、あえて小さいサイズで掲載する企業もあるということの良い事例です。
なぜその原稿サイズで求人情報を掲載しているのか? という点に注目してみることで、仕組みを逆手に取ることができるようになっていくでしょう。
掘り出しモノ求人情報の探し方
原稿サイズは5種類ありますが、掲載サイズのボリュームが一番大きいのはどのサイズだと思いますか?
なんとなく、N3サイズかな? と思うかもしれませんが、実はN2サイズがボリュームゾーン。
掲載料金はN3サイズで44万円、N2サイズで28万円です。
これは定価になりますが、企業目線ではこの10万円弱の差は大きい。
松竹梅があれば、とりあえず真ん中の竹を選んでしまう心理にも似てますが、だからこそ高すぎず安すぎないこのN2サイズが多いのです。
これらのことを踏まえて、掘り出し物の求人情報の探し方は、
- 一覧画面で原稿サイズを確認し、見る優先順位をつける
- 見る順番のオススメはN2→N1→N3→N4→N5サイズ
というようになります。優先順位をつけることははじめのうちは少し面倒に感じますが、良い求人情報に出会える確率が高くなると思えば、そこまで負担にはなりませんね。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
こうした求人情報の探し方はあまり運営会社は提供してくれません。
私が営業で活躍していた時も、費用をかけることができなく原稿サイズも小さいが、魅力的な仕事内容や待遇である企業もたくさんありました。
そうした企業に出会えるようにするためにも「見る優先順位」は大切です!
また、良い求人情報を出す企業は限られた求人原稿の文字数の中でも、その想いを伝えています。
ブログと同じようにその文章から熱意が感じられるかどうかという点に注目してみるのもオススメです。